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2014/09/23

夢の戦争のはなし。


IMG_9823▲

何処かの雪深い山奥で、
何処かの美しい海岸線のある街で、
戦争をしていた。

昼間は殺し合う。
夜になれば、敵味方同じ宿舎に戻り、
同じシャワールームで汗と血を流し、食事をとる。

けして、馴れ合うわけではない、
会話が弾むわけでもない、それでも
短い夜の停戦中は、もめることも早々ない。

それに、そもそもコトバが通じない。
少なくとも僕は他国後を話せない。

その戦場には男性と同じように女性もいる。
ロッカー室、部屋は別、食事は同じ大部屋でする。

その日の戦場は山奥の斜面、
雪と雨がチラついていた。

人を殺すことに躊躇いのある僕は、
どこかに隠れて、時間をやり過ごすことを思いつく。

山を少し登ったところ、あまり人影のない場所に、行く。
すると見知った顔
(もちろん、そんな気がするだけで、現実に知っているわけではないのだけれど)
の兵士が声を寄ってきて声をかけてくる。

「いい場所があるよ」

僕たちは襲撃に気をつけながら山の裏手に向かう。
そこには大きな岩が横たわっており、その下には人一人、
寝転べば入れる程度の隙間が出来ていて、
隠れることが可能だった。

その岩陰に寝転び、日が暮れて、
停戦の合図があるまで身動きせずに待つ。

無事に停戦時間となり、敵味方同じ方向へ戻る。

シャワーを浴びて、シャワーを出ると
(そこはどうやら野球場の観客席のような場所)
僕のはいていたスニーカーが見当たらなくなっていた。

周りには山のように泥まみれのスニーカーがあり、
容易には見つからない。

「誰か(敵国の兵士)に隠されたかな、、」と
僕は思う。

大事なスニーカーだったので、僕は周りを探し回る。
探している間に色々な国の兵士も手伝ってくれる。
結局机の下の隅っこに転がっていた。

転がってそこへ行ったのか、誰かが隠したのかはわからない。
見つかったことに安心して、そんなことはどうでもいい、そんな気がする。
探すのに協力してくれた敵味方の兵士達にお礼をいって、
宿舎に戻ることにする。

野球場の観客席から、いつの間にか野球場のロッカー室のような、
場所に変わっているロッカー室を出て、
建物のロビーへ向かう。

なんだか、晴れた気持ちだったので、
一人宿舎までの山道を帰ろうと思っていると、
出る直前に後ろから、声をかけられる。

ショートカット、背丈は僕とそう変わらない、
同じ年頃の、細い女の子。
(僕たちは、どうやらお互い高校生くらいのようだったけれど)

「お疲れさま」と彼女は言う。
『お疲れさま』と僕は答える。

「ドキューン」と彼女は僕のお腹辺りに
人差し指を当てる。

「ほら、撃ったよ」
『そうだね、撃たれたね』と僕は少し笑う。

「お腹に撃たれた傷跡できてると思うから、
 後でみてみてね」と笑いながら彼女は話す。

『うん、わかった。宿舎まで一緒に帰ろうか?』
「いいの、友達を待っているから」と彼女は答える。

一人宿舎に戻り、食事を皆と共に賑やで大きな部屋でとる。
食事をしながら、フト思い出し、スウェットを捲り上げ、
お腹を見てみると、黒いマジックで、×のしるしがついていた。

「ああ、彼女に撃たれたんだな」僕はそう思う。
彼女はどこにいるのだろう、と部屋の中を見回す。

見つけた彼女は離れたテーブル席で、
女友達と楽しそうにやっている。笑顔だった。
その食事の席では誰もが笑顔だった。
まるで、戦争のことなんて、なかったことのように。

彼女の顔を見た僕は、少しばかり幸せな気分になった。